【ビジネス的思考】インド式ジュガード

January 27th, 2021 / admin / 0 comments

インド特有の考え方に「ジュガード」というものを耳にしたことがありますか?今ジュガードという考え方がビジネスで話題になっています。
名だたる企業のインド人CEOたちはこの考え方があるからこそCEOになったと言えるでしょう。
「ジュガード(Jugaad)」はヒンディー語で、その意味は
「目の前にあるモノで、新しいモノを創造する」
今ある資源、その場の環境ので創意工夫と知恵を組み合わせて解決方法を見つけ出すことです。リソースが無くても必死にもがいて考えて目的達成に向けてがむしゃらに走り出してなんとしても目的を達成しようとする、そういう状況からイノベーションが生まれると考えられています。
ビジネスを始めるときに大切なのが「目的」ですよね。何のためにそのビジネスをしているのか。その目的はどのような世界にどのようなイノベーションを起こしてくれるのか。
ジュガード精神には、三つの要素があります。まず、「善い目的」であるということ、ユーザーに対してすごく「共感をする」ということ、また、それをもとに何かをする「場所」をもっているということです。これがイノベーションをやる多くの企業にないことがあります。

目次

  1. ジュガードとイノベーション
  2. ジュガードの考え方
  3. まとめ

ジュガードとイノベーション

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各企業での研究開発(R&D)は速度を増し、ネットワークが広がりグローバル化しています。だからこそ、地域別のイノベーションはすごく重要視されるのです。
とても有名な話ですが事実、インド発の考え方は数字にとても強いため、「計算する」ことについてインドは得意としています。日本の企業は数の論理だとか、その計算がとても苦手な印象です。「インドの国民性はとても良く、親日的な人も少なくない、そんな有利な条件の割にインドで上手くいくイノベーションの型が日本でうまくいかないのは、イノベーションシステムの違いと、自社のオープンイノベーション(企業内外のアイデアを組み合わせ、革新的で新しい価値を創り出すことを目的とする)の戦略の整合のさせ方に要因があるのではないでしょうか。

ジュガードの考え方

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【柔軟に考え、迅速に行動する】
ジュガードは、シックスシグマに代表される系統だった手法とは異なり、柔軟に考え、柔軟に対応します。そのため、環境変化にもすばやく対応できます。中国に次いで2番目に糖尿病患者が多く、しかも農村部に患者が多いインドで、モハン医師は、従来の医療の常識にとらわれず、患者のもとに医療サービスを届けるため、地域の技師やヘルスワーカーと協力した移動式の遠隔医療を行っています。タタ・モーターズは、二輪車が家族全員を乗せて走るといった状況を見て、格安の自動車のナノを売り出しました。しかし、販売が思うように伸びない中、製造工程、流通、マーケティング戦略を柔軟に見直しています。

【少ないものでより多くを実現する】
ジュガード・イノベーターは、ものが足りないときにこそ機転が働きます。資金がなければ何もできないとは考えず、あり合わせのもので何とかします。そして、制限のある財源と資源の利用を最適化し、今あるだけの資源でより多くの顧客に高い価値をもたらします。インドの携帯会社バルティ・エアテルは、インドで携帯通信革命が始まった2000年代初めに事業拡大のための資金や技術が足りなかったため、他社の資本を利用してビジネスを拡大しました。ITインフラをIBMに、ネットワークインフラをエリクソンとノキアシーメンスにアウトソースし、自らはマーケティングとブランディングに専念し、1億7,000万人以上の加入者を持つ、世界最大の通信サービス会社となっています。

【逆境を利用する】
ジュガード起業家は、身近にある社会問題などの厳しい制約をイノベーションのきっかけとします。逆境をチャンスに変え、自身と周囲に価値をもたらします。タルシ・タンティは、インドで織物工場を設立しましたが、値段が高く不安定な電力に悩まされ、ついには自ら工場向けに風力タービンを開発しました。そして、人口の44%が電機を利用できないインドの状況をチャンスと見て、スズロン・エナジーを立ち上げました。今ではスズロンは、世界で5本の指に入るエネルギー・ソリューション企業に成長しています。

【自分の直観に従う】
ジュガード・イノベーターは、フォーカスグループや型通りの市場調査に頼らず、自分の直観を大切にします。投資家の反応も気にしません。インド最大の小売チェーンであるビッグバザールの創設者キショール・ビヤーニは、経営を本業としたコンサルタントのアドバイスよりまだ実績を出していないの自分の直観を信じ、見た目も感覚も、匂いまでもが混沌とした露天商のような店舗づくりで、大きな成功を収めています。欧米においては、多くのスタイリッシュな精密機器を産み出したスティーブ・ジョブスなども、自らの直観を信じるジュガード・イノベーターの典型でしょう。

【シンプルにする】
ジュガードは、過剰な機能を持たせることなく、シンプルに目的を果たします。サティア・ジェガナザン医師は、新生児死亡率が高いインドにおいて、病院で死亡する新生児を減らしたいと考え、欧米の新生児用保育器を輸入しました。しかし、物価の差以上に初期費用が法外に高く、操作やメンテナンスがインドには不適合でした。そこで、シンプルで、安価で、使いやすい保育器を自ら設計することとし、成功しました。

【末端層を取り込む】
ジュガード起業家は、あえてサービスの届かない末端層の人を主な顧客とします。ラナ・カブールは、できる限り多くの層の消費者の資金需要に応えるインクルーシブ・バンクのイエス銀行を設立しました。マクロリースを証券化して機関投資家に転換社債として売るなど金融ツールを活用して、これまで銀行から融資を受けられなかった多くの人々に融資できるようにしています。イエス銀行は、これまで融資を受けられなかった人口の半分、6億人のインドの人々の間に広がり、利益を上げています。


オープンイノベーションの先駆けであるインドの考えでは、シェアリングエコノミー(欧米を中心に拡がりつつある新しい概念で、ソーシャルメディアの発達により可能になったモノ、お金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のしくみ)ではないけれども、今は分けてやる時代なのです。そういう意味ではインドの精神というのは古代から現代に至るまで、まさに人と人の間でシェアすることを重要視しているといえます。

まとめ

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